中庸

心暗くなるのは真理に暗く、迷いの状態にあるからです。

仏教では「無明」と言います。

これが苦しみの根本原因です。

とらわれや執着を捨てれば、迷いの世界に入り込むことはないです。

「中庸」の状態であればいいですね。

「中庸」・・・右でも左でもない、真ん中という意味ではなく、一切の執着から離れ、物事の本質を見極め、ありのままに捉えること。

宇宙の最高の智慧である「中庸」。

この状態であってこそ、正しい判断ができ、決断ができ、選択ができます。

そして、精神が中庸の状態であってこそ、無限の宇宙に通じることができます。

中庸という心の状態にないうちは、出逢うもの全てが禍いですが、心の視界を開き、明るくし、中庸の状態に至れば、出逢うもの全てが(者・物・感情も起こることも全て)宝で、いつも心は穏やかで安定しています。

どんな事が起ころうが、誰に何を言われようが、決して動揺しない心の状態が真の穏やかさです。 

真に穏やかなる人は、ほとんどの方が嫌々こなしている、日常の義務的な事さえ、喜びで行います。

穏やかなる真の力は、不動と自立を基盤としています。

中庸の状態を保てるようになると、全ての物事を、正しくありのままに見ることが出来るようになります。

自分の心と、周りで起こる全ての事象が、密接に結びついていることを実感し、原因と結果の関係性を冷静に観ることが出来るようになります。

その結果、不平不満を言ったり、悲しんだり、悩んだり、怒ったりすることもなくなります。

そのような状態になった時、人はこの上なく穏やかな心になり、人生の不幸から解放されます。

自分の心をコントロールし、中庸の状態を保ち、穏やかな生き方が出来ることが、真の幸せを手にする唯一の道です。

空海

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