日月の運行は天の呼吸、汐の満干は地の呼吸、人も天地の水火(いき)の凝(こり)なり。
故に、人の呼吸は波の列(つらなる)に同じ。
波も寄する時に音をなして引時に音なし。
人も出息は音(こえ)をなして、引息に音(こえ)なし。
人則(すなはち)小天地なり。
頭の円形なるは天であり、
足の方形なるは地であり、
毛髪は空の星であり、
顔の七穴(口・鼻ニ穴・両耳・両眼)は北斗七星であり、
両眼の開閉は生死・昼夜・明暗・陰陽の両極であり、
五臓(心臓・肺臓・腎臓・肝臓・脾臓)は、木・火・土・金・水の五氣五行であり、
五臓の働きは森羅万象の生成化育であり、
血液は大海河川の流れる水であり、
その循環は潮の干満に照応し、
一分の脈拍七十二回は、年の七十二候であり、
柔らかき温かなる腹は、春夏の気候であり、
固く冷ややかなる背は秋冬の気候であり、
手足は東西南北であり、
手足の十二節あるは、一年十二ヶ月であり、
椎骨(ついこつ)二十四は、年の二十四節季・一日二十四時間であり、
全身三百有余の小骨あるは一年三百六十五日であり、
歯牙は金銀銅鉄の鉱石であり、
皮膚の毛髪は大地の草木である。
人間は宇宙の縮図、天地の移写、一切衆生は己身(こしん)なり。
生きとし生けるもの全てが己と悟れば、縁ある全ての存在を大切に、思いやりをもって接することができようぞ。
一は全、全は一。
己が全てであり、全てが己。
全ての命を大切にする純粋な心あってこそ、地球・日ノ本の立て直しもできるなり。
神の真の手伝い望む者、我欲を無くせよ。
神は、神の経綸この世に移して顕す為に、人を使いて働かす。
神から賜りしもの、一つも無駄なく不足無し。
神から賜りし能力、己の力と過つなかれ。
己を磨き禊ぎて、神の意に適いて励めよ。
産霊(むすひ)の力により産み出された神の裔(すえ)なる人間は、神の宇宙経綸の一端を担うべく、神性穢すことなく、万物一体神我一如(しんがいちにょ)になりて生きること肝心なる。