学びなさい、全ての過去から。
学びなさい、全ての過ちから。
歴史は常に貴方に語って呉れています。
学びなさい、少しも難しくは在りません。
学びなさい、誰にでも必ず出来るのです。
少しばかりの静かな時と、
素直な謙虚さが在りさえすれば。
全ての出来事の中に、智慧は無限に滲み込んでいるのですから。
学びなさい、直にでも。
小さな小さな事から、学びなさい。
微(かす)かな微かな事から、学びなさい。
すぐ目の前に在る物事が、
全てを貴方に語って呉れるのです。
見詰めて、耳を傾け、心を開きさえすれば、
他者は、全ての貴方以外の存在は、教えて呉れるのです。
今、貴方が知ろうともせずに、見過ごしている出来事が、何れ必ず大きく、貴方に関わるのです。
幼き者から、学びなさい。
彼等は、貴方を超えるべく生まれて来た者なのだから。
また、か弱き者から、学びなさい。
彼等は、貴方に何れ訪れる苦を、知らせに来た者であるから。
特に、大切なのは、貴方が畏(おそ)れる者から、学ぶ事です。
貴方が嫌う者から、学ぶ事です。
彼等は、求め難い師として、遣わされた者たちである。
遭遇(あ)い難(がた)き者たちは、神の遣いである。
煩わしき者たちは、貴方に智慧を運ぶ者たちである。
貴方の廻りの、是(かく)の如き者たちは皆、貴方を救う者である。
貴方を苦しめる者たちは、
貴方に力を与えに遣って来た者である。
遭遇(あ)い難(がた)き「苦の姿」をした者たちは、最高の友となる。
見習うが良い。
「全ての贖(あがな)える者の、輝きを!」
その者の「眼」は、
「苦の姿」を貫き透した果ての、「彼方(かなた)」を見ている。
「彼方を見る者」から、学ぶが良い。
「超えるべき時」の別な姿を、教えて呉れるだろう。
「微かを見る者」から、学ぶが良い。
「閉じ込められた時」が、
解き放たれんとする姿を、
教えて呉れるだろう。
如寂(にょじゃく)の領域に、あなたの「い(命の根源の働き)」が、入って行く時、あなたの「い」は、
「異蘊(いおん)世界」からの使者、と出会うであろう。
遭遇(あ)い難きその使者の名を、貴方は耳にするであろう。
その使者が、「全ての苦を贖(あがな)える者」である事を、識(し)るであろう。
「使者の衣」が如何に軽いかを知る時、貴方は歓喜するであろう。
そして、その使者が、
「貴方に苦を与えて呉れていた者」だ、と知る時、その光の使者が、「貴方の邪魔をしていた者たち」だ、と解る時、全ての闇を光に変えているのが、他ならぬ「貴方自身」だと知る。
去来する闇の全てが、貴方の智慧に隈無く、照らし出されているのを知る。
「異蘊(いおん)の知」「異蘊(いおん)の見(けん)」は、「一切の時」に惑わされる事は無い。
「全ての時」が運んで来たものは、「異蘊(いおん)の智慧」に異ならない。
自ら勧んで下方(げほう)へ向かう事は、無上の彼方に行く事である。
微かなる溝の裂け目から、
「異蘊(いおん)世界」に通ずる「孔(あな)」を、
見出すであろう。
その溝の深きに降(くだ)り、暗きに至るには、
「五蘊(ごおん)の衣」を脱ぎ捨てねば成らない。
「五蘊(ごおん)の衣」を脱ぎ捨てる時、あなたは「使者の衣」を纏(まと)っている。
あなたが「思議する事」を捨て去った時、「空に成った心」から「光の智慧」が湧いて来るのを知る。
観えてくる、全てが観えてくる。
「歴史」が教えて呉れるもの全てが。
「過去」なる「禍根(かこん)」の「渦(うず)」が
暗く巻いているのを。
過去の自分が、その「渦」に「巻かれた人」
であるのが・・・。
(命の神)