畏・賢・恐  かしこし

自然の霊威や神威というと、『かしこ』という言葉を思いだします。

 

手紙の末尾に「かしこ」と書きます。

 

なぜ「かしこ」なの?と思ったことはないですか?

 

「かしこし」を調べると、身も心もすくむような畏怖の気持ちをいうのが原義です。

 

海・山・風・雨・雪・川・雷・木・道・草・花・・・など、あらゆる自然に霊が宿っていることを認め、それらの霊威や神威に対する畏敬の念です。

 

祝詞の中にも「掛巻母畏伎」=(かけまくもかしこき)=言葉に出して言うのも畏れ多い。

 

また「恐美恐美母日須」=(かしこみかしこみももうす)=敬い慎んで申し上げるというのがあります。

 

自然の霊威や神威を恐れかしこむ気持ちから発展して、畏敬すべき力を持ってる人のことを表す賢人という言葉が生まれたのでしょう。

 

宮中の「賢所」というのも納得いきます。

 

みなさんご存知のように、手紙の最後に書く「かしこ」というのは宛先人への敬意を表したものですが、この言葉が「自然の霊威や神威」に由来するものだということを日本人と して知っていたいですね。

 

日本語はやはり素晴らしいです。

 

山脈

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