古神道家の友清歓真(ともきよ よしさね)の道歌です。
『神の道 そのまま人の道なれば 人の道ふむ人は神なり』
人は神の裔(すえ)にして、産霊(むすひ)の神により産霊(むす)ばれた神聖な存在ですから、その神性を曲げることなく、汚すことなく、清浄に磨き、自らも神として、主神の御経綸が滞りなく進展することに参与するという気持ちで、生活することが肝心です。
キリスト教や仏教や儒教などは戒がありますが、神道にはこのような意味での戒律は存在しません。
神の子としての本性のままに当然のことを、当然にこなすことこそが、古神道の道なのです。
元々、如何なる人であれ、何を教示されることがなくても、生まれながらして親を慕い、子には慈愛があるものであり、美しいものを愛でる心があり、汚れたものを厭(いと)う気持ちは万人共通の心性です。
すべて人は常に心を平静に保ち、悲しかった事や、辛かった事に意識を置かず、愛善の誠をもって、人の幸運を祈り、利他愛に生き、世の人々に対して、誠をさへ竭(つ)くしていれば、それでいいのです。是れが惟神(かんながら)の心
であり、人生の務めです。
人は素直で、真っ直ぐで、純粋に生きれば、何かを学ぶ前に既に惟神(かんながら)の道に自然に進むものです。
特別なことをする必要もなく、人はそのように生きればいいのです。