全ての存在(いのち)は土から産まれ、土に還るという循環の中にあり 。
己の命も例外になし 。
母なる大地と触れ合い、溶け合い、感謝の思いで生きることこそ 、己の魂生かすこととなるなり。
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「サ」について。
「サ」は、「サヲトメ(早乙女)」・「サナヘ(早苗)」・「サツキ(五月)」・「サナダ(稲な田)」とかの「サ」でもあります。
「サ」というのは「神稲」の意であると捉えられています。
地鎮祭(とこしずめのまつり)の時の土地の神のことを大地主神(おおとこぬしのかみ)と言いますが、大土神(おおつちのかみ)とか土之御祖神(つちのみおやのかみ)とも言います。
太古の昔の神の名に、「国狭槌尊(クニノサツチノミコト)」、「埿土煑尊(ウヒジニノミコト)」、「沙土煑尊(スヒジニノミコト)」があります。
それぞれの原義は、「国狭槌尊(クニノサツチノミコ)」は「サ」と「ツチ」から成り、語源は、神稲を植える大切な土ということ。
「埿土煑尊(ウヒジニノミコト)」と「沙土煑尊(スヒジニノミコト)」は、どちらも「ひじ(泥))」と「に(土器を作る時の材料の土、赤土のことも丹と言います)」の音が入る御神名です。
「ハニ(埴)」とも言い、粘土の生ずる所が埴生(ハニュウ)という地名になります。
この粘土を使って焼き物を作る方のことを土師(はにし・はじ)とも呼びますし、この粘土で作られたものが埴輪です。
昔から人は、命を支える大地や土の中に神を見ていたので、、「つち」というものは単なる土一般をさすのではなく御神霊そのものを呼ぶ言葉であったようです。
自然の恵みに生かされている我々は、祭りに限らず常日頃から、自分が住まわせていただいている土地や食べ物を生み出して下さる「つち」に感謝をしたいし、土地をいじらせていただく時も地鎮祭という、人としてのマナーを示したいものです。