水は器(うつわ)に随(したが)って方円(ほうえん)なり』 (by 弘法大師)
水は柔軟です。方形の器であろうと、円形の器であろうと、その形に随って、形を変えて寄り添い、置かれた場所に従います。
川を流れる水も、石とけんかすることなく、コロコロ流れていきます。
石が行く手をはばんでも、水は少しも怒ることなく、水の方から、素直に負けていくのです。
しかし最後には、石の方が丸められていきます。水は「負けて勝つ」のです。
水は、 岩をも、山をも砕く荒々しい働きから、全てのものを生かし、潤し、養い、争わず、溶け合い、たくさんのものを変えていく力があります。
大きな力を持っていながら威張ることもしないです。人も、水のように、柔軟に生きることが出来るといいですね。
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植物の細胞について・・・
植物がみずみずしくあるのは植物が根から吸った水を地上部に運ぶ導管があるからですよね。
この導管は、ホースのような管で、管状要素という死んだ細胞が縦に連なったものです。
管状要素は元々は根や茎を作っている細胞と変わらないものだったのですが、自らの膜や細胞小器官などを消失させることで、導管を形作るようです(生物が成長過程で自ら細胞を殺すことを「プログラム細胞死」と言います。)
しかし、管状要素は死ぬだけでなく、死ぬ前に縦模様を持つ厚い細胞壁を作り、(二次細胞壁)細胞が死んだ後も導管を支え続けます。
みずみずしさの裏には、自ら犠牲になって支える存在があるのです。
人も同じです。
ひとりの人の陰には多くの支えがあり、その支えあって初めて存在することができます。
見えないところの、小さな小さな支えにも、感謝できる人でありたいですね。