コケみたいに生きるといいですね。
植物が乾燥に対応するやり方は大きく二つに別けられます。
ひとつは、積極的な「適応」(これは回避も含みます)それと、もうひとつは「受容」です。
葉の表面に厚いクチクラ層が発達した照葉樹、葉を落として蒸散量を抑えて生きる落葉樹。植物体は枯れてしまい種子の形で生き残る一年草、葉っぱがトゲに変形して蒸散を抑え貯蔵組織を発達させているサボテン類、夜中に葉っぱの気孔を開き呼吸に伴う水分消失を最小限に抑えるCAM植物。
組織が複雑に分化している高等植物は、適応能力が発達しています。
それに対して、コケ植物のような下等植物は表面には水分の蒸散を防ぐクチクラ層も発達してないし、深い土の中から水分を吸い上げる根もないし、貯蔵組織もない。何もないコケのような下等植物は空気が乾燥すると水分が急速に蒸発して失われますが、全ての生命活動を一時的に停止して休眠することで乾燥に耐え抜くのです。コケが選択した生き方は、周囲の状況をあるがままに受け入れるという「受容」のスタイル。これを専門用語では「変水性」と呼び、この性質故、他の植物が定着できないような高山や極地など非常に気温の低い場所でも逞しく生きていけます。
コケみたいに、周囲の状況をあるがまま受け入れる。人間はこれができないから苦しむのですよね。周りの人が言ったことにいちいち反応しこだわるし、いろいろなことに執着するから心が苦しい。つまり、中庸の状態が保ててないということ。
周りのあるがままをいつも受け入れて素直に生きているコケは素敵ですね。
コケ植物は陸上植物の中では最も下等(起源が古い)なので、学ぶこと多いです。