年輪

木の年輪を見てみなさまは何を感じますか?

御存知のように、木の年輪ができるのは、季節によって木の成長の速度が異なるためです。

木は、気温と日照と雨に恵まれると急速に大きくなるし、反対であれば、成長が遅くなったり止まったりします。

四季がはっきりしている日本では、四季の繰り返しが年輪となってはっきり現れてきます。

私はこの年輪を見る時、「木と人間」は同じだなと温かさを感じ、ほのぼのとした気分になります。

輪切りにした木の切り口を見ると、外側の白い部分と中心部のちょっと色の濃い部分があるのですが、この外側の若く白い部分のことを辺材(へんざい)又は白太(しらた)と言い、水や養分を運んだり、微生物の侵入を防いだりしています。

そして、死んだ細胞が集まっている中心部は、樹体を支える役割で、心材(しんざい)又は赤身(あかみ)と言います。心材は年々、寿命のつきた辺材がどんどん加わっていくことによって、年々体積が増えていきます。

この辺材なのですが、死んで心材に変わる時、微生物や虫が嫌う抽出成分(樹脂や色素など)を合成し、細胞をおおってしまいます。ですから、中心部は色が濃いということです。

そして、この時、水や養分の通り道だった細胞壁の穴もふさがれるので、微生物が侵入しても大きく勢力を広げることが難しくなるのです。

細胞は、生きている間、侵入してくる敵に負けないように、細胞の壁を強くしたり、敵を負かす成分を合成することができますが、死んだ細胞は何もできません。

ですから、死ぬ直前に(辺材から心材に変わる時に)木全体を守るため、細胞をかためガードすることをします。

自分が死んで行く時、残される若いものを守ろうとする姿。人間も全く同じですよね。

人生経験豊富な御年配の方々が、若者たちに教えを残し、亡くなっていく方々が子孫のことを大切に守ろうとする想い。

私たちは、教えを大切にその智慧を学ばなければならないです。

自然は私たちの師匠であり、神仏からのメッセージでもあります。

木の年輪からも大きな学び有り。自然の木々と共に、御先祖様、神仏様に守られていることに感謝したいと思います。

椅子

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